疲れと焦りと眠気
8月25日午前1時、スマホのアラームの音が鳴って眠い目をこすりながら寝床から起きる。
前日の歩き疲れもあり、身体が少しダルい。
眠っている家族に気を使いながら着替えを済ませ音を立てずに玄関を出る。
車に乗り込み出発、向かう先は日本海、いつものように長い山道の国道112号を走る。
真夜中なので前にも後ろにも車がいない。
走っている最中、西の空を見ると山の向こうから雷の光が……。
少し気にしつつ先を急ぐ、峠を抜けて国道をそのまま海のある西へ向かう。海が近くになるに連れ雨粒が強く車に落ちてくる。
先のトンネルを抜けたらすぐに海なのだが、前が見えないくらいの雨降りなのでトンネル前のコンビニで氷、食べ物の購入と少しの休憩、雨脚が弱まるのを待つ。
雨が収まり再び車を走らせる。トンネルを二つほど抜けた先にある漁港が今回の行き先。
午前3時半過ぎ到着。
到着後、車の中から周りを見回すと釣り人の車が数台、誰もいない常夜灯に車を止め外に出る。
雨は小降りなものの、周りの空では稲光りが時々光る。
結構近い。
少し恐れながらも竿を準備、いつでも避難できるように車から数メートルくらいの位置で釣りを開始。
「今回の釣りはジグ単でアジングを中心に小物狙い……。
明るくなったら様子を見てエギングかロックフィッシュ……。」
…と、独り言……。
常夜灯からの明暗の境い目奥へカウントを変えながら数投、10センチにも満たない豆豆アジを上げる。
「ちっちぇっ…(小さい)」
即リリース。
「はい、情け無いけどこれでボウズはない…。」
…ブツブツと独り言が多い……。
さらなる釣果を期待して釣り再開、今度は巻きのスピードを変えながらまた数投探る……。
…………ピカッ‼︎
近くで雷が光った。
すぐにラインを回収、車に避難、小降りだった雨の粒が大きくなって車に打ち付ける。
「ダメだこりゃ、止むまで寝んべ…」
少し仮眠をとるが激しい雨音と雷の音で眠れない。
イライラしながら外を眺めていたら段々と空が明るくなって雲の形がはっきり見える。
時計は午前4時半前
雨は強いが雷は去ったようだ。
我慢が出来ず釣りを再開するがアタリはあるけどアジは全くのらない…。
15センチから20センくらいのカマスを数匹上げるものの即リリース。
アジを求めながら歩いて漁港内外をウロウロ移動しながら探る……。
もうすっかり明るくなって雨も止んでいる。
周りを見回すとエギングをしている人が数人いる。
車に戻り竿を交換、ここからエギングにチェンジ、去年数杯ほど上げた実績のある漁港なのでまだ早いかなと思いつつも2.0号の餌木をセット、約一年ぶりにアオリイカ狙い。
…………………。
…全くダメ、たまに小さいのが追ってはくるが下手くそだからすぐに見切られる……。
めげずに何度も手を替え品を替え投げてはしゃくりを繰り返していると段々と疲れてきた。
少し休憩、周りを見回すと少し離れた場所で手のひらくらいのアオリイカを上げている人が見えた…。
どうやら釣れるみたいだ。
自分も負けずに再開、とりあえずその人の真似をしてみる……。
釣れている人の真似をすると結構上手くいく場合がある。
真似されている事に気付かれると気まずくなるが技術を磨くには有効な方法、そこに状況に合わせて自分なりのアレンジを加えながら数投……。
…やっぱり手前までは追ってはくるがそう上手くはいかない……。
「まだ早いんじゃね?」
早く今年最初のアオリイカを釣り上げたいという焦りからか、負け惜しみのような逃げの一言がボソッと口から出る。
これではいかんと思いエギングをやめ再びアジングに切り替える。
「切り替え…
そう、切り替えこそが俺の…
俺の…
…なんだっけ……。」
と、疲れと焦りと眠気で頭が回らない時によく口にする変な独り言を発しながら再開。
一投目、フグにワームを食いちぎられた……。
…それと同時に自分の心も折れた……。
午前9時悔し涙とともに納竿……。
「覚えてやがれ!」
…と、小物の捨て台詞を吐いて漁港を後にする。
もちろん帰りは途中で仮眠を取りながら安全運転。
無事家に到着後、
画像を撮るのを忘れた事に気がつく。
リベンジはまた今度……。
さいごに
独り言は実際に口に出して言ってます。